事業再構築補助金、コールセンターへ問い合せた質問と回答

2021-09-15

事業再構築補助金の申請にあたって、わからないところがいろいろある。Q&Aには該当項目がないので問い合わせたいけど、なかなか電話がつながらない。

私もいろいろ悩ましいところがあり、何度かつながるまで電話をして聞きました。

この記事では、私が問い合わせたことと、その回答要旨を紹介します。

【2021/7/2追記】
問合せて確認した本記事内の回答に従って申請した計画は、無事に採択されていました。

【2021/9/15】
第2回の案件についても直近決算期(2020年7月)、基準年度(2022年7月)で提出しましたが、無事に採択されていました。

もし、あなたの疑問と回答がこの記事にあれば幸いです。

Contents

一次公募申請までの質問と回答

加点項目 協力金のエビデンス

公募要領(1.4版)のP.30 加点②では「協力金の受給に係る証明書」をエビデンスとして添付することが求められています。

通常は、「新型コロナウィルス感染症拡大防止協力金の支払について(通知)」をエビデンスとすれば問題ないかと思います。

今回は、「入金はあったけど通知が来ていない」という事例でしたので、通知が来ていない場合、「証明書」と呼べるものはないが、通帳などで代替できるかと問い合わせました。

回答は、通帳などでOKかと思います、というものでした。

加点項目 固定費のエビデンス

公募要領(1.4版)のP.30 加点②では「固定費が確認できる書類」をエビデンスとして添付することが求められています。

質問した内容は、家賃や人件費について、
・具体的な確認書類としてはどういったものを想定しているか
・会計帳簿や賃金台帳はOKか
というものでした。

回答は、家賃や人件費等について個別に回答ではなく、固定費全体として、出金がわかる証憑でOKとのことでした。

固定費が協力金の額を上回ることを証明する書類

問い合わせた結果を受けて、私が今回の申請で、固定費が協力金の額を上回ることを証明する書類としては下記を添付しました。

【協力金の受給に係る証明書】
・ 新型コロナウィルス感染症拡大防止協力金の支払について(通知)
 (結局、必要な通知が揃った)
・上記通知が複数枚あったため、一覧化し、合計金額を記載したエクセル資料

【固定費が確認できる書類】
・給与支給時の総合振込明細(個人別に「キュウヨ」とわかるもの)
・上記明細のうち、給与を集計し、合計金額を記載したエクセル資料

【その他】
協力金の金額合計と固定費の金額合計を比較し、協力金<固定費となっていることを示したエクセル資料

電子申請入力についての質問と回答

補助事業終了年度が直近の決算年度から1年飛ぶ(翌々年になる)場合の入力

決算月と補助事業終了年度の関係

補助事業実施期間は「交付決定日~12ヶ月以内」とされています。
今回2021年4月に申請後、同6月中旬に採択され、同8月に交付決定されたとすると、補助事業実施期間は2022年8月までということになります。

9月決算の場合、申請時点の(確定申告済みの)直近決算年度は2020年9月です。
そして、補助事業は数ヶ月かかるため、今年2021年9月までに終わることはないので、補助事業終了年度は2022年9月ということになります。

入力が求められている収益計画は、1年飛ぶのでいびつな感じがしますが、下記のようなイメージになります。

電子申請システム操作マニュアル上の補助事業終了年度

マニュアル上はどうなっているかというと、下記のとおり、補助事業終了年度が2021年9月となっています。

質問と回答

【質問時におこなった前提説明と質問】
・入力画面にはまだログインできないためマニュアルを見ながらの質問
・申請企業は9月決算である
・工場建設と機械導入を予定しており、2021年9月には補助事業は終わらないため、補助事業終了年度は2022年9月になる
・補助事業終了年度は入力できない設定に見えるが、直近決算期から1年飛んだ年度を基準年度とすることができるのか
・ 直近決算期が2020年9月である場合、基準年度を「2022年9月」とするためにはどのように入力すればよいか

【回答と結果】
1年後の年度を「2023」と入力すれば、その1年前である基準年度が2022年になるとの回答でした。

【2021/7/2追記】

直近の様式「電子申請入力項目」には次の記載が追加されていました。
『※「直近の決算年度」と「基準年度」は補助事業終了年度次第では連続しないことがありますが、差し支えありません。』
(再構築補助金ホームページでダウンロードできる「電子申請入力項目」内10ページ)

実際の申請入力時にそのとおりに、1年後を2023年と入力したところ、基準年度は2022年になりました。

経費明細表 経費区分に記載がない費用項目の計上場所

経費明細表には「建物費」、「機械装置・システム構築費」など補助対象となる経費が列挙されており、申請入力時もその項目のみ入力可能です。

ここで問題となるのが、事業に要する経費のうち、補助対象外のものの取扱いです。

具体的には、新工場の賃借に係る保証金や家賃、事務用パソコン、当面の運転資金などが補助対象外経費として例示されています。
厳密には経費と言えないものもありますが、資金調達の内訳としての「事業に要する経費」としては、事業に必要な支出はすべて織り込む必要があります。 そうしないと、事業実施段階になってから「調達した資金が足りなかった! 保証金やパソコン代が払えない!」なんてことになりかねません。

【 質問時におこなった前提説明と質問】
・人件費や保証金など補助対象外経費がある
・人件費や保証金は入力区分がない。
・資金調達内訳と「事業に要する経費」が連動する以上、補助対象外経費も入力する必要がある。
・人件費や保証金などの補助対象外経費をどうやって入力すればよいか。

【回答と結果】
・システム上、経費区分を新たに追加することはできない
・いまある区分のどこかに含めて入力すればよい

上記の回答を参考に、今回の申請では使っていなかった経費区分「技術導入費」に全部突っ込みました。保証金や人件費、当面の運転資金等、事業に実施にあたって資金調達が必要な経費をすべて織り込みました。

経費明細表 補助対象経費と補助金交付申請額の入力

(A)事業に要する経費

【質問事項】
次の質問のため、前述の質問の軽い再確認のつもりで聞きました。
「(A)事業に要する経費」の欄には、補助対象とならない経費も入力しますよね?と。

【回答】
(A)には補助対象の経費を入力するという回答。
以前問い合わせた内容、経費明細表と資金調達内訳のつながりを踏まえ、 補助対象とならない経費も入力すると理解している旨をお伝えしたところ、再確認しますと保留されたのち、補助対象外経費も入力する理解で間違いないとの回答をいただきました。

今回が初回の公募なので、 コールセンターの方々は前例のない質問が多くて大変そうです。

(B)補助対象経費
【問題点】
Aに数値が入力されている項目は、B補助対象経費を「0」円にすると「1円以上」入力するようエラー表示されます。
事業に要する経費のうち、技術導入費に計上したものは、すべて補助対象外ですが、0円入力できません。

【質問】
全額の補助対象外の経費区分について、B補助対象経費が0円だとエラーになる。どうすればよいか。

【回答】
補助金交付申請額が、上限に収まるよう内訳を事業者側で調整するように、という回答でした。

【結果】
補助対象外の経費区分については、B補助対象経費を3円、C補助金交付申請額を1円(2/3以内なので1/3でも入力可)として入力しました。

(C)補助金交付申請額
【問題】
補助金申請額の上限額は、自動計算で算出してくれない。

1億2千万円の経費に対し、補助率2/3、上限6千万円の場合
1億2千万円×2/3=8千万円 ←上限を超過しています。
この場合、自動的に6千万円という結果が出るわけではなく、
8千万円と算出されてしまいます。

【質問】
・補助対象経費を実態通りに入力すると補助金交付申請額合計が上限を超えて算出される
・上限超える場合の入力方法を教えて欲しい

【回答】
・上限に収まるように事業者側で調整のうえ、C補助金交付申請額の数値を手入力で直接編集する
・調整金額をどの経費区分から減らすかなど、内訳は問わない
といった回答でした。

【結果】
もっとも金額の高い「建物費」は2/3の補助率で算出し、その他の機械等について2/3未満、補助対象外経費については補助額1円とし、総額が上限に収まるよう調整しました。

経費明細表 購入資産が多いとき、積算基礎をどこまで入力するか 

【問題】
経費明細表の(E)積算基礎の書き方として、マニュアルでは「***** 130,000×10」というように、名称、単価、数量等を記載するよう指示されています。

今回申請する案件は規模が大きく、機械だけでも30点以上あります。
この一枠に全部書くのか…という疑問が湧きました。

【質問】
・機械購入点数が30種以上ある
・(E)積算基礎の書き方として全部挙げるのか、主要なものを2,3点書いて、「他○○点」と要約してもよいか

【回答】
・書き方に決まりはない
・審査の際にわかるように、事業者で判断して書く
・できるだけ詳しく
・わかる範囲で
という回答でした。

【結果】
買うモノはわかっている。それを「できるだけ詳しく」となると、結局全部書くことになるか、と諦め、一つの入力箇所に数十点の名称、単価、数量を記載しました。

実際の入力画面では、入力枠は拡げて表示することができ、すべて入力しても問題なく表示されることがわかりました。

コールセンター回答の活用方法と留意点

操作方法等については具体的回答あり

操作方法がわからないところについては、どこに入力すればどこに反映されるかなど、具体的に教えていただけました。

入力内容については申請者判断

入力内容や添付資料について悩んだところについては、ほとんどのケースで「事業者様の判断になります。」「認定支援機関と相談して事業者様でご判断」という回答が多かったです。

というのも、電話対応している方々は、おそらくパソナさんで手配した派遣等の方々だと思われますが、そうであれば、マニュアルに書いていないことはわからなくて当然かと思います。

補助金事業に慣れた感じの方からは、「事業者様の判断になります…が、」とか「予想ですが」とか「おそらく」といった前置きをしたうえで、たぶんこうだろうという助言をいただくこともありました。

なので、

・入力操作で困ったら回答はもらえる
・判断が悩ましいところについては明確な回答は過度に期待しない
・明確な回答はできない場合も、可能な限りの助言をくれる人もいる
・不慣れな担当者は悪意なく誤った回答をしてくる(突っ込むと、保留→確認→訂正回答)ケースがある
・自分でも要領やマニュアルをしっかり調べておく

これらに留意しつつ、 悩んだら答えがもらえるかどうかはともかく、参考情報を入手する気持ちで電話して聞いてみる、という活用方法が現実的かと思います。

ここまで読んでいただいた方、どれか一つでもお役に立てていれば嬉しいです。